登山はお金がかかる趣味なのか? コスパを追求して徹底検証
登山は、お金がかかる趣味として知られています。これから登山を始める方は、どれくらいお金がかかるか知りたいでしょう。今回の記事では、初級者向けの山を登る場合と、中級者以上の山を登る場合に分けて、登山装備にどれくらいお金がかかるか検証します。
登山するために必要な最低限の装備
今回、どのくらい登山にお金がかかるか検証するにあたり、必要最低限の装備をまとめました。検証に使う装備は以下になります。
- 登山靴
- 登山ザック(リュック)
- レインウェア
- ヘッドランプ
この4つの装備は、登山に必携とされる「三種の神器」と「新・三種の神器」にカウントされるものです。地図やコンパスはスマートフォンの登山地図アプリを使うものとして、今回はカウントしません。食事系統は人によって異なるので、カウントの対象外とします。
【初級者編】低山を登山する場合の費用
初級者向けの低山を想定して、どのくらいお金がかかるのかを計算します。想定の山は「高尾山(標高599m)」、「春(4月下旬頃)」で日帰りです。
登山靴|0~5,000円
初級者(初心者)の頃は、手持ちに歩きやすい運動靴(靴底がすべりにくいもの)があれば大丈夫です。ただし、下山するときに靴に爪が当たって痛くなる可能性があるので、基本的に下山にケーブルカーやロープウェイを使える山を登ることになります。
運動靴がない場合はお金がかかるので、ミドルカットの登山靴を購入すると想定し、ネットで売っている5,000円の安いものを購入するとします。サイズさえ合っていれば、初級者向けの山なら十分登山できるでしょう。防水設計だと◎。購入するときは、ワンサイズ上のものを選んで、厚手の靴下を履いてください。
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登山ザック|3,000円~6,000円
登山ザックは安定感が増すように、ウエストベルトが付属しているものを選びます。日帰りの低山であれば、20L~30Lの容量で登山できます。登山専用ブランドのものは、かなりお金がかかるのでアウトドア向けの比較的安いものを選択したとします。
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登山ウェア|0円~5,000円
登山ウェア(服装)は手持ちに化繊繊維(ポリエステルなど)のスポーツウェアがあれば、初級者向けの山は登れます。肌を出すのは好ましくないので、長袖+長ズボンと想定します。
安く登山ウェアを用意する場合は、お金がかかる登山専用ブランドではなく、スポーツブランドのものがいいでしょう。耐久性は劣りますが、速乾性や通気性に優れているものが多いので、登山向けとなっています。
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レインウェア|5,000円~10,000円
登山中は突然雨が降る可能性があるので、レインウェア(雨具)が必要です。防寒着にもなるので、欠かせないアイテムの1つです。値段はピンキリで、これからも登山をするのなら、お金がかかるけれど10,000円以上のものを選んでください。
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ヘッドライト|1,000円~2,000円
ヘッドランプは想定外に登山タイムが遅くなり、夕暮れ以降に下山するときに使う道具です。非常用として常にもっていきましょう。明るさは100ルーメン以上のものを選びます。他の装備と比べると、お金がかかる装備ではありません。
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★合計金額|9,000円~28,000円
手持ちの道具を流用すれば約9,000円、すべて1から買うとなると約28,000円という計算になりました。初級者向けの山で、暖かい時期しか登らないのであれば、リーズナブルに道具がそろえられるでしょう。
初級者向けの登山で、一番お金がかかる登山装備はレインウェアです。安すぎるものを買うと、登山中に破けてしまう可能性があるので、ある程度の価格となってしまいます。
逆に、節約しやすい装備は登山ウェアです。スポーツをする方なら、ジャージでも十分に流用が可能。登山向けブランドにこだわらなければ、安価に用意できる装備です。
【中級者編】高山を登山する場合の費用
登山をこれからも極めたい方は、お金がかかる登山装備が必要です。想定する山は「北岳(標高3,193m)」で「夏(8月頃)」、「小屋泊」です。北岳の山頂は、夏でも最高気温が約14度程度。最低気温は約5度と、真冬並みの寒さになります。高山は天気や環境もハードなので、対応できる装備を選んだ場合にかかる費用を計算します。
登山靴|15,000円~30,000円
登山靴は完全防水のものを選びます。理想はゴアテックスと呼ばれる、防水性と透湿性(水分を外に放出する機能)が優れている素材が使われた登山靴です。ゴアテックスはお金がかかる素材ですが、登山靴と相性がバッチリです。
他にもソールが交換できるか、革靴かどうかでも価格が変わってきますが、安くても15,000円前後のものを選びましょう。安すぎると屈曲性が良すぎて、凹凸のある登山道では足裏に負担がかかり、不向きな場合があります。履き口は足首を固定できるミドル~ハイカットのものを選択します。
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登山ザック|15,000円~20,000円
登山ザックは、ウエストベルトに加えてチェストベルト(胸元を固定するベルト)があると安定感があります。登山ブランドのものは、安価なものより型崩れがしにくく、優れたフィット感が魅力です。小屋泊をMAXとするのなら40L以上のものがおすすめ。
お金がかかる装備の1つではありますが、荷物の負担軽減ができれば登山がしやすくなります。必ず防水のザックカバーを一緒に用意して登るようにしてください。
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登山ウェア|40,000円~50,000円
登山ウェアは「ベースレイヤー」と「ミドルレイヤー」、「アウターレイヤー」に分けます。3つのレイヤーを脱着することで、山の気候に対応できるようにします。トータルではお金がかかるようにみえますが、大事なポイントの1つです。
ベースレイヤー|10,000円
ベースレイヤーはTシャツ類を着ます。高山は森林がなく、太陽の光をさえぎるものがないため、半袖+アームカバーや長袖で登山しましょう。素材はコットン(綿)はNGで、速乾性と通気性に優れた化学繊維素材のものを選びます。
ボトムスはコスパを優先するのならトレッキングパンツ。多少お金がかかるけれど、短パン+スポーツタイツで足の負荷を減らす装備もおすすめです。
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ミドルレイヤー|10,000円
ミドルレイヤーは中間着にあたります。具体的にいうと、防風性のあるソフトシェル、保温力のあるフリースです。夏季の晴天ならソフトシェルかフリースどちらかでもいいのですが、悪天候時に備えるのならどちらも持っていくのがおすすめです。
▼おすすめのミドルレイヤー(ソフトシェル)▼
(メンズ)
(レディース)
▼おすすめのミドルレイヤー(フリース)▼
(メンズ)
(レディース)
アウターレイヤー|20,000円~30,000円
アウターレイヤーは一番外側に着るレイヤーです。レインウェアでも併用ができますが、ダウンジャケットをもっているとベストです。高山の夜は、小屋の外に出ると驚くほど冷えるので、ダウンジャケットがあると寒さに対応できるようになります。
登山用のダウンジャケットは軽量性と暖かさに優れた「ダウン」が使われています。高価なダウン素材が使われているため、お金がかかる装備です。
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レインウェア|12,000円~40,000円
レインウェアは、ゴアテックスを使っているかどうかがで、お金がかかるかどうか決まります。ゴアテックスのレインウェアは高い耐久性と防水性、そして快適性をもっています。しかし、ゴアテックス製のジャケットは、平均25,000円程度もかかります。
機能が劣ってもよいのなら、ゴアテックス製じゃなくても高山で使えます。ただし耐久性をかんがみて、10,000円以上のものをおすすめします。
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ヘッドライト|2,000円~5,000円
ヘッドライトは基本的に100ルーメン以上あれば大丈夫です。高価なヘッドランプは、耐水性やルーメン数もあり快適性は増します。お金がかかるヘッドライトでも、5,000円も出せば十分性能が足ります。ナイトハイクをする方は3,000円以上のものを、夜間の行動は基本的にしない方は2,000円~3,000円のものを推奨します。
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★合計金額|79,000円~145,000円
中級者以上の高山に登山するのなら、約79,000円以上お金がかかる計算になりました。上限を約145,000円としましたが、コスパを優先しないのならもっとお金がかかることになるでしょう。
特にレインウェアはゴアテックス製を選ぶと、一気にお金がかかることに。ダウンジャケットも使われている素材上、お金がかかる装備です。しかし、低体温症対策にもなる装備は安価なものを選ぶと、耐久性や軽量性、携行性を犠牲にすることになるので注意してください。
【結論】中級者以上は登山するのにお金がかかる
初級者向けの低山であれば、装備は必要最低限ですみました。しかし、中級者以上の高山となると、装備が命にも関わってくるため、お金がかかることになります。
これから登山をする方は、初級者向けの低山に登り、今後も登山を続けていくかを判断してください。中級者以上の山、または高山に登りたいと思ったときに、本格的な装備を用意するのがコスパ的にもいいでしょう。
安価な装備はコスパはいいですが、高価な装備と比べると快適性や耐久性が劣ります。それをふまえて、装備をそろえるようにしてくださいね。